3月8日(木)に行われた卒業式のあと、自動車部では3年生を交えた最後のミーティングを開催し、卒業生から一言ずつあいさつをもらいました。
(卒業生から顧問一人一人に花束をいただきました。ありがとうございます。)
部活で学んだことや後輩へのメッセージを伝えてくれる中、厚海くんは部長になって実感したという「コミュニケーションの大切さ」について語ってくれました。
卒業生5人はこの部活に入っていなかったら交わることもなかったんじゃないかと思えるほどそれぞれが本当に個性豊かで、後輩のうちはまだおとなしくしていたものの最高学年になった最初の大会では連携の悪さを反省したものでした。
それを高校生日本一のチームに仕上げるために厚海くんがどれほどの神経をすり減らしたことか、ただでさえ連覇のたすきを背負ってプレッシャーとの戦いもある中で、鍛えあげられた精神力は日本一の部長の名に恥じない誇らしいものだと思います。
ほかにも挨拶の中で印象的だったのは
「技術以外のところでもたくさんのことを学んでほしい」というメッセージをくれた副部長の伊藤くんです。
伊藤くんは1年生の時に一度部活を辞めようと思ってずっと顔を出さなかった日がありました。
それでも先生に励まされ、久しぶりに顔を出してみると「おかえり」とみんなが温かく迎え入れてくれ、続けてみようと思えたそうです。
一度は辞めようと思った伊藤くんですが、進級して後輩ができると本当によく面倒を見てくれて傍から見ていても頼もしい先輩っぷりでした。
驚いたのは後輩への注意の仕方が上手なこと。
良い意味でフレンドリーな雰囲気の部活ではありますが、ともすれば注意をしにくくなりがちです。
それでも伊藤くんはその関係を崩すことなく、でも注意すべきところはしっかり伝えてくれ、その後も作業を最後まで見守ってくれる姿は先輩の鑑だと思いました。
「部活を続けていく中で自分がどれだけできないか思い知ることになりましたが、同時に少しずつでも成長していけるという実感も感じることができました。自動車部はそういう場所です。」
伊藤くんは自分が自動車部で得たものがどれだけ大きいかを実感しているからこそ、後輩にもそれを伝えたいと思っているようでした。
部長の厚海くんも「よくバックアップしてもらった」と感謝していた副部長としての役割については、「特に何もしていない」と言う伊藤くんですが、副部長だからという役職とは関係なく、部員として部長を支え、最高学年として3年生全員でチームを引っ張っていってくれたということが改めて感じられた一言でした。
さて、自動車部では毎年このタイミングで、卒業していく部長が新部長を指名するというイベントがあります。
そこに顧問は一切口を挟みません。新部長に事前告知もありません。部長としての最後の大仕事です。
厚海くんが指名した新部長は2年生の田中くんです。
「先々代の部長の時から2500㎞/ℓという記録を目指すようになりました。その目標をなんとしても自分の代で成し遂げたいと思っています。自分の実力が至らないところも出てくると思いますが全力で部活や大会に挑みますので、よろしくお願いします。」
と力強い熱意を表明してくれました。
厚海くんが田中くんを選んだのは2年生の中でも周りを気にかけてくれる姿が部長に適任だと考えたからだそうです。
しかしながら田中くんはエンジン班を担当する部員でありながら、タイヤ班の仕事もかじっており、大会ではドライバーを務めています。
そんないくつものわらじを履いている田中くんをサポートするのに、落ち着いて全体を見渡せるボディー班にいる2年生の秋山くんが副部長に選任されました。
秋山くんは部長に選ばれた田中くんについて「部活中は他の班の様子も気にかけてくれて、一番まとめるのがうまい。」と部長にふさわしいことを認め「部長が困ったときに手助けをできるように自分も頑張りたい。」と話してくれました。
無事に卒業式を迎えた厚海くん、伊藤くん、石塚くん、三浦くん、宮崎くん、3年間お疲れ様でした。ご卒業おめでとうございます。
5人には自動車部から卒業記念品(自動車科 科名変更記念 公式(?)キャラクター)「ぐるぐるま」レアカラーのぬいぐるみと思い出の文鎮、それから特製アルバムが贈呈されました。
最後になりましたが、多少無理のある部活動にもご理解を示していただき、陰ひなたに多大なご協力をいただいた保護者の皆様には心より感謝申し上げます。
新生自動車部についても、応援よろしくお願いします。