今日から新年度のスタートです。
春休み期間中も自動車部は朝から活動していました。
アンダーカウルは先週からすでにFRPの積層に入っていて、春休み中にはボディーの成型は落ち着きそうな勢いです。
そんな中、ボディーのアッパーカウルを任されている新2年生の永長くんに話を聞いてみました。
永長くんは中学時代は卓球部だったそうですが、せっかく工業高校に入ったのだからと授業で学んだことを生かせる自動車部に入部を決めたそうです。
ボディー班の仕事はどうですか?と聞いてみると
「マシンを製作するにあたってこんなにも工程が必要だということに驚きました。」
という永長くん。
ボディーは型が出来上がるとFRPというガラス繊維を重ねて樹脂で固めて成型していきます。
FRPの層をはがしやすいように型にはFRPを重ねる前にいくつか薬品を塗布して離形処理を施していきます。
その後に剥離剤を塗って、ようやくFRPを重ねる準備ができるのです。
その工程だけを見てみても外から見ていただけでは分からなかった細かい工程がいくつもあって、1台のマシンを作る苦労というものを知ったそうです。
「自分のところだけでなく、周りの作業も気にかけながら作業をしていくことが、今までにない経験なので難しいと感じました。」
自分の作業だけに集中するのではなく、周りの作業についても客観視することで見えてくるものがある、それで防げるミスもあると常々教えられているそうですが、なかなかそれが難しい様子。ついつい手元に集中してしまって、あの時自分が気が付いていればという経験がこの一年間で何度もあったそうです。
それでもボディーを製作中の永長くんは一つ一つの作業の意味をよく理解して進めているように思えました。
ボディー班の中で一番好きな作業はどれかを聞いてみたら「風洞実験」だと答えてくれました。
「風の流れが目で見えるのがおもしろい。自分たちが作ったマシンを知ることができるのがおもしろいと思いました。
またそこで分かったデータをもとに改良していく行程が好きです。」
永長くんは研究者気質なのです。
新2年生になってもうすぐ後輩が入部すると思いますが、どんな先輩になりたいか聞いてみました。
「気が弱いところがあって、それを克服したいです。」
今はそれを克服するために、毎日部活の終礼時に前に立ってコメントを発表する訓練をさせてもらっているということでした。
「永長くんはとてもまじめです。もう少しブラックになってもいい。」
と言うのは同じボディー班で永長くんを指導している新3年生の秋山くん。
部長の田中くんにも新入部員に求めるものはと聞いてみると
「あきらめない精神、それから先輩に臆せず意見を言える勇気」だと答えてくれました。
先輩に意見をするためには自分もしっかり勉強する必要がある。
先輩だからといって作業や考え方が正しいとは限らない、技術者として対等に意見を交わせるだけの心構えと度胸のある部員を求めたいと言っていました。
それがチームの向上につながるし、大会を戦い抜くメンタルにもつながるそうです。
少し気が弱いところのある永長くんにも同じように「先輩に盾をつけ」と教えていました。
後輩ができることで急に成長をする先輩をこれまでに何度も見てきました。
永長くんも、たくさんの後輩に刺激を受けて成長できる1年にしてほしいと思います。