9月29日(土)に栃木県のツインリンクもてぎで開催された本田宗一郎杯Hondaエコマイレッジチャレンジ2018第38回全国大会において4連覇を果たした本校自動車部。
今回は優勝ドライバーである1年生の篠田くんに話を聞いてみました。
―優勝おめでとうございます。初めての全国大会でしたが、どういうことを心がけて挑んだのでしょうか?
「6月にももてぎ大会で来たことのある会場だったし、最初は全国大会っていう実感がなかったんです。練習走行もあると聞いていたのでそこで慣らして本番頑張ろうと軽い気持ちでいました。」
確かに、走行前は常に先輩たちと笑顔を交わしたりおどけたりとリラックスした様子の篠田くんを見かけました。特に気負わずに挑んだのが良かったのかもしれません。
しかし本来は当日が練習走行で翌日が決勝走行という日程だったところ、台風の影響で練習走行日を決勝走行に置き換えて実施された大会となりました。初めての全国大会で急な日程変更だったにもかかわらず、緊張はなかったのでしょうか?
「練習走行がなくなっていきなり本番になって、雰囲気がいかにも全国大会らしくなってマシンの数ももてぎ大会の時より多かったから、スタート前になってはじめてドキドキしました。」
―それでも見事に走り切りました。走行中はどうでしたか?
「最初の1周目から制限時間ギリギリだったんです。記録は残したいと思って燃費のことはもう考えずにタイムのことだけ考えて走りました。」
確かにゴールした後の残り時間も30秒を切っていました。そこはマネジメントをしてくれた部員たちのサポートあってのことですが、それが結果的に燃費の良さにつながったのだなと思いました。
―走行中、何か困ったことはありませんでしたか?
「くもり止めを塗ってもらったら前が見えなくて怖かったです。」
当日は小雨程度でしたが降ったり止んだりを繰り返していました。湿気を含むと馴染んで見えやすくなるタイプのくもり止めを塗っていたのですが、走行中は思ったより降らなかったせいで馴染みが悪く、視界がクリアではなかったようでした。
「でももうその対策も考えてもらいました。」と話す篠田くん。次の大会までにはくもり止め対策も万全になるようです。
―走行中、逆に良かったなと思う点はありますか?
「コースウォークの時にラインどりをしっかり教えてもらっていたのが良かったです。ここは注意してと教えられたところで他のマシンが底をこすっている場面を何度か見かけました。」
本校の強みは、長年戦ってきたことによる豊富なデータ量とたゆみない努力による分析力にあると言えます。マシンの状態だけでなくコースについてもしっかり把握できていたことが勝利につながったようです。
―6月のもてぎ大会の時と違ったことはありますか?
「マネジメントの先輩との通信が、もてぎ大会の時は途切れることも多かったのですが、今回はずっとつながっていたので安心感がありました。」
レース中に篠田くんとの連絡係を務めていた2年生の前崎くんにも話を聞いてみました。
「車が多いって焦っていましたね。そのせいかホーンをずっと鳴らしていました。でも怖かったんだと思います。僕ももっとドライバーの気持ちを理解してコミュニケーションをとってあげていれば、もっと落ち着いたドライビングができたのかもしれません。」
篠田くんは「追い越さなきゃいけない時とか自分の存在を知らせるためにビビッて鳴らしてしまいました。」とバツが悪そうにしていました。
その話を聞いて同じくドライバーであり部長でもある3年生の田中くんは「もっと紳士的に走れるようになってほしい。ドライバーはチームの看板を背負って走っているのだから、他のチームと平等な立場の中で紳士的に振る舞わなくては。荒い運転は事故にもつながってしまう。」と話してくれました。
篠田くん、次の課題が見えてきました。
―1位を獲得した感想も聞かせてください。
「全国大会は初だったので自信もなくて、1位なんて嘘なんじゃないかなって思いました。とにかく事故や怪我のないように心がけました。」
―次は11月にエンジンをモーターに積み替えて出場するEV競技会が日本自動車大学校(NATS)で開催されます。目標があったら聞かせてください。
「EV競技会は長時間レースだと聞きました。体力を残しつつ記録も残したいと思います。」
話す内容はまだ1年生らしさを残しながらもどこか飄々としたところがある篠田くん。これからまだまだ成長しそうな印象を受けました。今後の益々の活躍が期待できそうです。
2回にわたってドライバーの話を聞いてきたので、次回は大会中にマネジメントに携わった部員の話を掲載したいと思います。