11月3日(土)に日本自動車大学校(NATS)にてNATS EV競技会2018が開催され、高校生のジュニアクラス13チーム、オープン参加合わせて23チームが参加する中、本校自動車部からも2チームが参加してきました。
EV競技会はモーターとバッテリーを使った競技で、2時間という規定時間内にコースを何周できるかを競うレースとなっています。大会で支給されたバッテリーをいかに効率よく使うかが重要になってきます。
いつもはエンジンとガソリンで燃費競技を行っている本校自動車部ですが、この大会ではエンジンをモーターに積み替えて戦います。モーターは本業ではないので改良する時間はありませんが、原動機以外の性能(ボディーやタイヤなど)はそのままで十分に戦えるマシンなのです。
また、この競技では2時間以内にコースを40周以上走行します。コースのどのあたりを通れば効率の良い走りができるかというラインどりを勉強できるし、ひとたびラインが決まれば毎周回同じラインを走る(これが案外難しいそう)練習にもなります。周回数が多いのでデータも十分にとれ、マネジメントもじっくり考えることができると、利点の多い大会なのです。
当日は時折雲がかかることもありましたが気持ちの良い秋晴れとなり、コースのコンディションは良好。
本大会は全車グリッドスタートとなるため、6時の受付とともにグリッドの抽選が行われます。抽選の結果Aチームが15番グリッド、Bチームが5番グリッドを引きました。まずまずです。
支給されたバッテリーを効率よく充電するための温度管理をしながら、車検を経てマシンの最終チェックも順調でスタートまで割と余裕を感じさせる運びとなりました。
しかし、やはりトラブルは起きました。
練習走行中、ホームストレートにさしかかった直後にAチームのタイヤが大きな音を立ててバーストしてしまいました。練習走行が始まって15分ほどでした。
ところがトラブルを散々経験してきた部員たちは慣れたもの。その瞬間こそみんなあわてましたが、その後はドライバーであり部長でもある田中くんがテキパキと指示を出し、タイヤ班の水上くんと相野谷くんの二人が的確に作業を進めていきました。
「練習走行は1年生のドライバーが集団に慣れてくれれば、あとはBチームの走行データがあれば十分。」といつもはドライバーとしてコースに出ている部長の田中くんが、マネジメントに参加しながらどっしりと構えてくれていたおかげで、他の部員も冷静に行動できたようでした。
またBチームもAチームのトラブルに動揺することなく落ち着いてそれぞれの仕事を全うして順調に練習走行を続け、1時間ほど走ってデータをしっかり取ることができていました。
本番走行前にBチームのデータを元に作戦を練り、序盤から攻めの姿勢でいくことを決めました。
本番スタートです。Aチームのタイヤも無事整備完了し、全車グリッドIN。壮観です。
スタート直後の混乱に巻き込まれないかが不安要素でしたが、それもうまく回避して順調な滑り出し。
レース中、ドライバー以外の部員たちはタイムを計測し、昨年までのデータと照らし合わせて先を予測するなどマネジメントでドライバーをサポートします。
制限時間が近づいて来ました。
まだバッテリー残量には余裕があったのでモーター始動のタイミングを早めて速度を上げるなどして周回数を稼ぎます。Bチームが坂を上りきれずに先に終了。Aチームはコントロールラインを通過すればいい成績を出せるところでしたが、ホームストレートに差し掛かる直前でタイムアウト!惜しかったです。
結果はAチームが47周でジュニアクラス1位、Bチームが46周で3位と好成績を出しました!
EV競技会での優勝は初のこと(なんといってもモーターは改良していないので)だったので、正直びっくりしながらもみんな大喜びでした。47周という記録も本校新記録で、原動機以外のマシンの性能の良さを証明する形になって、部員たちは満足そうでした。
今年度参加する大会はこれが最後となります。
3年生にとっても最後の大会でした。次回はそんな3年生がどんな思いでこの大会に挑んだのか、そして何を学び後輩たちに何を残したのかをレポートしたいと思います。