11月3日(土)に日本自動車大学校(NATS)で開催されたNATS EV競技会2018にて、本校自動車部が今年度参加する大会は最後となりました。
3年間を通して最後の大会となった3年生にその思いを聞きました。
自動車部の中で唯一生産技術科(園芸科)の生徒である西賀くんは、この日、進学の入学試験と日程が重なってしまいました。「最後の大会なのに…」それを知った時の衝撃と言ったら、見ていてかわいそうなくらいでした。
それでも面接が終わったらすぐ駆けつけます、午後には参加できるはずですと約束してくれ、当日は保護者のご協力もあって、練習走行が終わったころに会場入りすることができました。
実は西賀くん、以前話を聞いていたときに「正直辞めたいと思うこともあった」と話してくれたことがありました。西賀くんが入部したのと同時期に航空車両整備科(自動車科)以外の生徒が他に2人入部してくれたのですが、続かずに辞めていってしまいました。
「なんにも分からなくてつまらないと思っていました」
自動車科の生徒は授業で自動車のことを勉強しているので部活で出てくる技術的な話もついていくことができますが、他学科の部員には理解できないことも多かったようです。
それでも辞めずに続けてきたのは中学校の先生の応援があったからだと聞かせてくれました。
「中学校の頃から自動車部に入りたいと思っていました。中学校の先生方からは『最後までやり遂げろ、頑張れ』と応援してもらっていたので、やるしかないと思いました。」
「3年生の中では一番積極的に後輩の面倒を見てくれます」
部活動での西賀くんの様子を聞くとほとんどの部員からそんな話が出てきます。
話についていけずに心細い思いをしたからこそ、まだ知識や技術の乏しい下級生の気持ちが分かってよく面倒を見てくれているのかも知れません。
そのうち、もともと工作が好きだった西賀くんは大会時の輸送に使う棚の製作を任されると、その作業に没頭するようになりました。
副部長の秋山くんは「自分から仕事を探すのは苦手なようですが、お願いすると期待以上の仕事をしてくれます」と信頼を寄せているようでした。
西賀くんの製作した棚は今でも大会時に大活躍。それを機にものづくりには必ず西賀くんの名前が上がるようになり、自動車部にはなくてはならない存在になりました。
今回の大会には参加できるか不確定だったため役割は割り当てられていませんでしたが、レース展開を見守る姿はチームの一員であることを強く感じさせてくれました。
「課題研究がそんなに忙しくない時はまだ部活に参加したいと思っています」と言う西賀くん。「次年度の新型マシンに合わせてフレームの溶接作業をやるつもりです。」
ものづくりの工程の中でも溶接作業が得意な西賀くん。その技術を後輩にもしっかり引き継いでもらえたらと思います。