全国大会が今週末にせまった自動車部。
あれ?いつもはボディー班の厚海くんがなぜかエンジンのチェーンを整備しています。
「人手が足りなくなったのでやることになりました。」
と言いながら手際よくチェーンを扱っています。
同じボディー班で2年生の秋山くんが
「分からないことがあって厚海先輩に聞いたときに、
先輩はボディー班なのにエンジン班の分野まで丁寧に教えてくれたので、
すごいと思いました。」
というように、部長に任命されてからの厚海くんはボディー班の仕事を後輩に任せて、
自分は部長としての責務を果たすために周りを見渡すことを心掛けていたようです。
そんな部長の厚海くんに全国大会に向けて話を聞いてみました。
―今回の大会での一番の改良点はどこでしょうか?
「ボディーの形が大きく変わったことです。
空力的なところがどれだけ結果に影響してくるか楽しみです。
タイヤも、もてぎ大会の時からですけど新しくしています。」
―もう少し時間があれば手を付けたかった、もっとこうしておけばよかったと思うところは?
「エンジンについてはあまり手をかけられず
セッティングを調整したのみになってしまいました。
エンジン班の部員はもう少し手をかけたかったと言っていましたが、
その分ボディーに手をかけた形になりました。」
とは言え昨年の秋から気になるところは修正しているという厚海くん。
もてぎ大会までにクラッチの改良も行っていたので、
エンジンの状態としては十分ではないでしょうか?
―ボディーはサイズもかなり小さくなったし、フレームも大幅に改造しました。
ボディー班としてはどうですか?
「今後のために実験的に改良したというところもあります。
エンジンのクラッチの改良をしたときもこれまで先輩方が積み重ねてきたところに
ちょうどよくマッチしただけで、クラッチの改良だけで良い記録が出たわけではありません。」
厚海くんたちも、積み重ねられてきた地層の一部になれればと言います。
「大会も重要ですが、大会終了後の風洞実験も楽しみです。」
今の自動車部のことだけでなく、
過去や未来の自動車部のことも考えている厚海部長。
その視野の広さに本当にこの子は高校生なのかと疑ってしまうほどです。
―全国大会の目標は?
「今まで通りなら2,500㎞/㍑(という記録)なんですが、
無事に完走できることを目標にしたいです。」
入部当初から、本当に理解できるまで簡単に「分かった」と言わない慎重派の厚海くん。
部長として大きく成長した今でも、その心は変わっていないようです。
―大会での課題はなんでしょうか?
「それぞれがやった仕事をチェックし合うことです。
みんなでやった仕事にミスが出ることもあるので、それをなくしたいと思っています。」
「最後なので悔いのない大会にしたい。」
最後に静かに放った厚海くんの言葉に、胸の奥の熱い情熱を感じました。
厚海部長率いる自動車部の全国大会は、
10月1日(日)栃木県のツインリンクもてぎにて行われます。