日本各地で猛暑日を記録したこの日、 自動車部ではなんとストーブをたいていました。
そしてそこに部員が集合。
あまりの暑さにおかしくなってしまったわけではなく、 新型マシンのボディーの外形が完成し、 そこに貼り付けるスクリーン(窓)の製作をしているのでした。
スクリーンにはペットボトルに使われているペット樹脂を使います。
温めると柔らかくなり型に押し付けて冷やすと その型どおりに成型される性質をもちます。
室内の気温が低いと温めて柔らかくなってもすぐに固まってしまって難しいので、
気温の上がるこの時期が成型にはもっともやりやすい時期となります。
とは言え暑い。 作業を始める前の室温は34.1℃。
温まったペット樹脂を安全に、そしてうまく型に押し付けるために お手製の治具と万力を取り付けます。
ストーブを炊く前に部屋を閉め切ると湿度が上がって不快に感じました。
樹脂が柔らかくなるとそこから一気に作業を進めるので、
始める前にしっかり打ち合わせをします。
そしていよいよストーブを炊いてその真上で樹脂を温めます。 作業はじめは34.3℃だった気温が徐々に上昇、35.9℃
徐々に体温に近づいてきました。
このくらいでも笑顔が見られてまだ多少の余裕を感じます。 37.0℃、体温を超えてきました。全員の顔から体から汗が吹き出します。 額の汗、作業着の汗染みでこの暑さが伝わるでしょうか!?
樹脂が温まったらすばやく型に押し付けて成型します。
四方から樹脂を引っ張りながら、手の空いている人が素手で樹脂をなじませていきます。
「あっち!もう少しそっち引っ張って!あっち!」
という声が響きますが、「あっち」が方向を示している言葉なのか、
熱いという意味なのか、もはや分かりません。 この時点で気温は37.4℃。 しかし体感温度は計り知れません。
「全方向同じタイミングで、同じ力で均等に引っ張らないと、 しわになったり歪んだりして難しかったです。」 1年生の永長くんが言うように、部員全員が呼吸を合わせないと成功しないのです。
そうして出来上がったスクリーンは…少ししわが寄ってしまって失敗。 しかしこの後もう一度暑い思いをして、ようやく納得のいくスクリーンが1枚完成しました。
3年生の厚海くんは 「もともと曲面が複雑になっていて難易度の高いフロントスクリーンですが、
今回は面積も大きくなっているので難しかったです。 実は4枚くらい失敗してようやくできたのですが、完成して良かったです。」
と話してくれました。
サイドのスクリーンもまだ残っていますが、 最も難易度の高いフロントスクリーンが完成して少し安堵した様子でした。
何度も失敗したにも関わらず完成に至った陰には 2年生の秋山くんが作った治具の存在が大きかったようです。
これまでは直線の角棒などを簡易的な治具として使っていましたが、
今回は面積も大きく曲面も複雑なので型に合わせた治具を製作しました。
「最初は前中心がずれてしまってスクリーンに段差ができてうまくいかなかったのですが、中心を鉄板とボルトでしっかり固定できるように改良してからうまくいったので、 良かったと思います。」
自動車部が毎年作っているマシンは、まさに汗と努力の結晶。 この調子で10月の大会まで走り続けます!