9月29日(日)に栃木県のツインリンクもてぎを会場に開催された、本田宗一郎杯Hondaエコマイレッジチャレンジ2019第39回全国大会での模様をレポートしています。
いよいよ決勝走行当日です。
天気は曇り予報でしたが太陽が顔をのぞかせる暑い一日になりました。
気温が高いと燃料の温度管理が難しくなるだけでなく、ドライバーの体力も奪われていきます。記録を伸ばすのはやや難しい状況。
タイム計測係はコースの距離と制限時間から、ラップごとの予想タイムや限界タイムを算出して表にしていきます。
前日のミーティングで数字の意味を理解するよう教わった部員たちは、ひとつひとつの数字と丁寧に向き合う姿が見られました。
3年生の堀口くんは時間をかけて苦労して作ったトランスポンダ(大会で配布される周回計測機器)カバーを、自らの手で改良していました。
前回の大会で測定したトランスポンダの寸法に誤りがあったようで、ボディーからはみ出している部分が風の流れを邪魔しているのではないかと思われたからです。
「6月に行われたもてぎ大会でも計測ミスをして作り直しになりました。その時も次はもっといいものを作るぞと思っていたのですが、また修正することになってしまいました。せっかく時間をかけて作ったのだから、もっと丁寧に作ればよかったと後悔しています。」
製作担当の堀口くんは残念そうに話してくれました。それでもチームのために、記録のために、労力を惜しまずに応急措置で修正をかけてくれました。
「卒業までにはもっときちんとしたものを作って後輩に残していきたい」
次こそはと、修正をかけながらも誓ってくれました。
開会式では優勝旗返還が行われました。
また必ず自分たちの手元に戻ってくるよう願いを込めて、大会役員に預けます。
スタート前待機エリアでも不備は見られませんでした。ただ強い日差しが気になります。
そしていよいよスタートです。
競技車両の数が多いので、時間差をつけて1台ずつ出走します。
先に2年生ドライバー篠田くんが乗車した赤のAチーム、遅れて今大会が初ドライブとなる1年生の大村君が乗車した緑のBチームが出走しました。
競技は約2.3㎞のオーバルコースを7周します。平均速度が25㎞/hと規定されていますが、燃料を節約するために下り坂やスピードに乗っているときはエンジンを切って走行します。時折エンジン音が聞こえますが、レースと言えど少し離れていると気が付かないくらい静かに行われます。
観戦エリアではドライバーとの連絡を取り合う通信係、ラップタイムを計測するストップウォッチ係、時間を管理する記録係とパソコン係など、マネジメントを行う部員たちがマシンの走行を見守ります。
コース脇ではサインボード係がドライバーに周回数を伝えていました。
競技中は誰一人、参加していない部員はいません。チーム一丸となってレースを戦います。
そして2台とも無事にゴール。
ゴールしてもスピードレースと違ってすぐに結果が分かるものではありません。配布された燃料タンクを返却して計測してもらい、他の競技車両がすべてゴールするのを待ってから、さらに不正がないか上位のチームについては再度車両検査が行われ、ようやく結果が発表されます。
やれるだけのことはやった。これで負けてしまっても、それが実力なのだと受け止めることができるところまで頑張りました。
結果は、昨年も優勝した篠田くんが乗ったAチームが1位、初ドライブだった大村君のBチームが2位!
5連覇達成です。ワン・ツーフィニッシュも飾ることができました。
気になる記録はAチームが2216.028㎞/ℓ、Bチームが2127.232㎞/ℓと、2台とも2000㎞/ℓを超え、前日の練習走行より1割も記録を伸ばすことができました。そしてこれが本校の自己記録を更新することにもなりました。
下総高校自動車部の皆さん、おめでとうございます。
次回は昨年に引き続き優勝ドライバーとなった篠田くんと、初ドライブで見事2位入賞を果たした大村くんの、ドライバー2人の声をお届けする予定です。