千葉県立下総高等学校Shimofusa High School

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自動車部 全国大会レポート⑤

10月1日(土)に栃木県のツインリンクもてぎにて開催された本田宗一郎杯Hondaエコマイレッジチャレンジ2017第37回全国大会においてワンツーフィニッシュでの大会3連覇を果たした本校自動車部。

数々のトラブルを経験しながらも見事連覇を勝ち取った秘訣について、部長の厚海くんと副部長の伊藤くんに話を聞いてみました。

 

―Aチームがテスト走行で横転したときのことについて聞かせてください。

伊藤「大会には常に何か起こることを前提に準備しています。

持ち物も8割くらいは非常時に対応したものです。」

―その準備がトラブルの対応には重要だと?

伊藤「それはもう先輩方が過去の経験から積み上げてきたノウハウのようなものです。

自分たちはそれに助けてもらっていると思います。

だからなんとかなるのは分かっていたけれども、車検が近くて時間がなかったのでこれまでの人生の中で一番焦って急いだんじゃないかと思える時間でした。」

副部長の伊藤くんは、6月にあったもてぎ大会で発電機によるトラブルに見舞われたときには焦って動揺を隠しきれなかったと言います。

しかし、自分が最高学年であることに改めて気付き、反省をしたそうです。

伊藤「何か起きても堂々として、部全体の雰囲気を変えられる存在でいなくてはと思いました。

今大会、自分の中ではそれもひとつの目標としていたので、トラブルにも冷静に対応できたと思っています。」

そう話してくれる伊藤くんの姿は頼れる先輩そのもでした。

各自が冷静に判断して対処できたのも、3年生の落ち着いた対応があってこそだったのだと思います。

 

―部長の厚海くんはどう感じましたか?

厚海「昨年の全国大会でBチームがバーストするというトラブルに見舞われました。

もう無理だとほとんどの人があきらめた時でも修復することができた経験があったので、今回もなんとかなるとは信じていました。」

トラブルが人を成長させるのだと改めて感じた出来事でした。

普段の部活動の中でも自分たちで考えて行動するようにしている分、3年生だけでなくトラブルに見舞われた時の各部員の動きも的確だったと思います。

 

―難しいと言われていた3連覇を達成した秘訣はなんでしょうか?

 

伊藤「守りに入っていたら負けていたと思います。

クラッチの改良やボディーの大幅な改良など1年間かけて攻めの姿勢で挑んで、最後もギリギリまで動力実験をして一番良い妥協点を探って3連覇を達成できたのだと思います。」

時間やお金をかければいいものができるかもしれません。学校の部活という予算の中、限られた時間の中で一番良い妥協点を探るのも、ものづくりの大切なポイントだと教えられたそうです。

実際、練習走行では他校の記録も2000㎞/ℓを超えているところがあり、身近に危機を感じたと言います。

 

―攻めの姿勢の原動力はどこにあるのでしょう?

 

厚海「チームとして一つの目標をたてることが大事だと思います。

僕たちの場合は先輩が『2500㎞/ℓ』という道筋を立ててくれました。

これが一生懸命頑張らないと達成できない絶妙な目標で、それに向かって一人ひとり、あるいは各部署ごとに道筋をたてて努力していくことでチームの大きな目標を達成できるのだと思います。」

 

―最後に、良いチームというのはどういうものだと考えているか聞かせてください。

厚海「一人一人の力は足りないけれど、それをみんなでカバーしあうのがチームだと思います。」

 

例えば今回、持ち物リストを担当した3年生の三浦くんが「忘れ物をしない」という目標を立てました。彼は目標を見事に達成し、今回は忘れ物が一切なかったわけですが、それが大会3連覇に直結したのかというとそうでもないのかなと思います。ですが、それがなければ3連覇はなしえなかったのかもしれません。

一人一人が自分の役割をシンプルに全うすることでチームの目標を達成していく。

これが、チームの力だと厚海部長は言います。

 

伊藤「お互いを信頼しあうことも大事だと思います。

3年間しかない中で先輩が信頼して後輩の自分にも大事な仕事を任せてくれたから自分も成長できたと思います。

先輩とか後輩とか関係なくなんでも言い合える関係も、信頼関係なんだと思います。」

1年生の頃はまだ意識が低く、大会に出ても何か自分の技術などに直結するような収穫は得られなかったと言います。それでも部活動の中で先輩が大きな仕事を与えてくれるうちに失敗とともに経験を重ね、責任感を感じながら成長できる、それがチーム力につながるのだと教えてくれました。

 

次回はそんなチームの中にいるドライバーの話を聞いてみたいと思います。