2位入賞Bチームの3年生石塚くんは
「時間が余ったんです。
もっと回転数を絞れて、燃費も良くなるということです。」
私にはたった30秒しか残っていないことがむしろすごいと思っていましたが、
石塚くんはもっとギリギリまで燃費を削りたいようです。
実は1年生の頃に小柄な体格をかわれてドライバーに抜擢された石塚くんでしたが、
3年生になるまでにずいぶん身長が伸びて体重も増えました。
Aチームドライバーの田中くんとの体重差は歴然で、走行中も
「目の前で(Aチームの)田中がどんどん離れていくので焦った」
と少し寂しそうに話してくれました。
タイヤの整備も全部を完璧にするまでは間に合わなかったそうですが、
チームのことを考えると体重が軽くて有利なAチームを優先したと言います。
それでも自分もチームのためにできる限りのことをしようと、
少しでも削れるところは削りたいのだと感じました。
しかし1位になったAチームのドライバー2年生の田中くんはこう言います。
「先輩のマシンはスタート前にエンジンの暖機が不十分な状態だったし、
体重差もあるのに、自分との記録にあまり差がなかった。
石塚先輩のテクニックにはまだまだ敵わない。」
そんな謙虚な田中くんと
「体重差がある中で自分が最高記録を出せたらかっこいいなー」
と語る石塚くん。
部活中はいつも兄弟のように仲のいい二人。
秋に控えている全国大会に向けても切磋琢磨してくれそうです。
最後に、今回のもてぎ大会について部長の3年生厚海くんと
副部長の3年生伊藤くんに総括してもらうと、
全体的にチームとしてまとまりのない大会だったと反省していました。
「自分たち3年生がしっかりしない分、1年生や2年生が自分で考えて行動してくれました。」
と厚海くんが言えば
「各班ごとはよく動けていたと思いますが、
それぞれの責任者同士(つまり3年生同士)がうまく連携できていなかった。」
と伊藤くんも続けました。
反省ばかり出てくるのは最高学年として
みんなを引っ張って行かなくてはという意識の高さゆえだと思いますが、
昨年の先輩達や、おそらくその前の先輩方も悩んできた
「良いチームとは」という課題にさっそくぶつかっているようでした。
全国大会に向けてそれぞれ
「部長として部員を動かせるようになる」
「トラブルが起きた時に自分も一緒に落ち込むのではなくて、
周りに大丈夫だと言えるだけの技術や態度を身に付けたい」
と語ってくれました。
部活動を通してたくさんの成長がみられるのも自動車部の魅力です。
今後、部員たちがどれだけ成長するのか、
そんな楽しみも味わいながら応援してもらえたらと思います。