千葉県立下総高等学校Shimofusa High School

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自動車部 ベトナム大会2019

自動車部の代表部員が文化交流プログラムに招待されて、5月23日(木)から28日(火)までの6日間をベトナムで過ごしました。前年度のHondaエコマイレッジチャレンジ全国大会高校生の部での優勝の副賞として招待されるこのプログラムに参加するのも今年で3回目です。

ハノイ大教会前にて 植民地時代のフランス文化が色濃く残っている

参加した部員は3年生で部長の永長くん、副部長の前﨑くん、秋山くん、堀口くんと2年生ドライバーの篠田くんの5名です。

 

25日(土)と26日(日)はHondaエコマイレッジチャレンジベトナム大会に参加してきました。

スタート直前の風景 コースは市街地の特設コース

 

ベトナム大会も日本で行われる大会と同様、決められたコースを決められた時間内に走行して燃費を競います。エンジンの規格が日本大会とは違うために、本校の記録は順位に反映されることはありませんが、ベトナムよりも長い燃費競技の歴史と高い技術力をもつ日本の代表チームとして注目を集めます。

 

感想は?と聞くと第一声が「とにかく暑かった」と言う前﨑くん。

「ベトナムの人も暑そうにしていました。自分は暑さには強い方だと思っていましたが、いきなりの暑さの中での大会はさすがにこたえました。」

走行準備をする部員たち マシンは奥に見える大きな箱に梱包されて空輸されてくる

実は過去に参加したベトナム大会よりも今年は1か月ほど時期が遅くなっていて、気温も上昇。ベトナムは湿度も高い国なので、部員はみんな熱中症気味になりながら頑張ったそうです。秋山くんは会場の暑さにやられて撤収作業に加勢できなかったそうです。

「でも熱中症対策として用意してもらった現地のフルーツが本当においしかった」と語る前﨑くん。

生ライチは枝になっているのだそう 冷凍よりもジューシーでおいしかったと部員談

マンゴーは甘いし、少し酸味を感じるものも日本のスイカのように少し塩をつけて食べると甘みが増しておいしいそう。旬が1か月と短いライチもちょうど時期だったということで、生のライチを初めて食べたと興奮気味に話してくれました。

「日本でよく食べる冷凍に比べると、水分がすごく多くておいしかった」と話してくれたのは堀口くん。

現地の暑さに対抗するには、現地の食べ物を摂るのが一番。暑さにばてながらも、その恩恵にあずかって良い経験をしたようです。

 

ドライバーの篠田くんも初日はさすがにばてたそうですが、2日目の本番走行では気持ちが高ぶって、ベトナムでの一番の思い出になったと話してくれました。

走行中の日本代表チーム 蛍光グリーンがベトナムの曇り空に映える

「暑い気候の中の走行が、なんだかハイになって。なんて伝えればいいか分からないんですけど…」

久しぶりの走行だったからというのもあったのかもしれませんが、いつもと違う環境でのレースが興奮を誘ったのでしょうか。

「実は走行中にこっそり設定速度を上げちゃいました」と告白する篠田くん。

2~3周したところでタイムが気になってマネジメントに聞いたところ、少し遅れていると言われたので、独断でデジタルタコメータを走行中に操作して設定速度を0.2km/hほど上げたと言います。

走行中は計測したタイムをその場で解析してチーム全体でドライバーをサポートする

相談してもらえなかったマネジメント側の部員はやや呆れ気味でしたが、それが功を奏して走行タイムやコースのラインどりなどは完璧だったそうです。ドライバーとしては良い判断だったと言わざるを得ません。

「いろいろ試しながら走行してみたかったんですよ」といたずらっぽく話す篠田くん。なるほど、それが「本番走行が一番おもしろかった」と言わしめた根拠のひとつなのだなと感じました。

 

競技は1チームずつ、時間差をつけてスタートします。最初にスタートした日本チームが競技を終えても、まだまだ出走待機しているチームがたくさんありました。現地レポートにもあがっていたように、運営側のご厚意で、部員たちはスタートフラッグを振らせてもらうという貴重な経験をしました。

交代でスタートフラッグを振らせていただいた

他の部員はその状況をただ喜んでいたようですが、ドライバーの篠田くんは
「日本だと3秒前からカウントダウンしてフラッグを上げるんですけど、ベトナムは何の前触れもなくフラッグが上がっていきなりスタートって言われるんです。」と日本との違いを聞かせてくれました。

自分がスタートする時も戸惑ったけれど、現地の他のドライバーも困惑していた様子なので、改善した方が良いのになとも話してくれました。

 

競技終了後には現地チームに囲まれて質問攻めにあったようです。

質問攻めにあう部員たち 言葉の壁もなんのその

「すごく積極的に話しかけて来てくれるんですけど、そこは言葉の壁というか、伝えたいことが100%伝えられないことに悔しい思いをしました。」と部長の永長くんが言うと、ドライバーの篠田くんも「話しかけられたけどうなずくことしかできなかった。もっとコミュニケーションを取りたかったです。」と後悔をにじませました。

一方で堀口くんは「それでも図を使ったり、身振り手振りでコミュニケーションをとったりすることで分かってくれたように思います。言葉というより、伝えようとする気持ちが大事なんだと感じました。教えられるものがあるのなら、その気持ちに応えたいと思いました。」と熱い口調で話してくれました。

ベトナムの暑さよりベトナム人の熱さに打たれたのか、体調不良をおして対応する秋山くん

「日本だと謙虚な姿勢が奨励されることが多くて何事にも消極的になりがちですけど、ベトナムの人たちはすごく積極的で、分からないことがあったらすぐ聞いてくるしマシンにも直に触って本当に研究熱心でした。自分たちも見習わなくてはと感じました。」と話してくれたのは秋山くん。

マシンよりも部員たち同士での記念撮影をせがまれることが多かった

「日本語で話しかけてくれる人も多かったんですよ。ベトナムの人たちもなんとかしてコミュニケーションをとりたいという気持ちが伝わってきて、本当に嬉しかったです。」そう話してくれたのは前﨑くん。

過去の大会でも日本チームに積極的に話しかけてくる姿は見られましたが、日本語で話しかけてきたという話は今回初めて聞きました。それだけ熱心な気持ちでベトナムチームが興味を示してくれているのだと嬉しく感じましたし、お互いのチームが歩み寄ってコミュニケーションをとろうとすることがまさに文化交流だなと、このプログラムの成果を改めて実感することができました。

 

また、大会では忘れ物が目立ったと言う部長の永長くん。出発前にあれほど何度も何度も念入りにチェックしていたのにと悔やまれます。でもそこは全国大会優勝校、あるものでなんとかするという対応力で乗り切ったそうです。

順位には反映されないがステージ上で紹介されて参加記念品をいただいた

副部長の前﨑くんはベトナムで学んだこととしてこんな話をしてくれました。

「日本なら忘れ物をしても現地で買って調達することもできるし、近い会場なら取りに戻ることだってあります。でもベトナムだとそうはいかない。」

日本のようになんでもそろっているホームセンターのようなお店はベトナムにはないのだそう。

「忘れ物をしたことは反省しますが、限られた環境の中でなんとかするということを学びました。自分にはまだその対応力がないので、学んだことを生かして成長していきたい。」

ベトナム大会を通して自分たちもまだまだ成長しなければならないところがあると学びました。

「このプログラムで、ベトナムのことを知ることもできたけど、自分たち自身のこともより深く知ることができました。今後の活動に活かしていきたい。」と部長の永長くん。多くのものを学んだようです。

 

次回はベトナム市街地の視察などを通して部員たちが感じたことをレポートしたいと思います。お楽しみに。