6月22日(土)に栃木県のツインリンクもてぎを会場に、Hondaエコマイレッジチャレンジ2019第11回もてぎ大会が開催されました。グループⅡ(高校生クラス)に28チームがエントリーする中、本校自動車部からも5連覇をかけて2チームが出場し、そのうち1チームが見事1位を獲得しました。
大会に初参加だった大村くんは「体力的にきつかったけど、充実した時間でした。」と話してくれました。
大会に参加する前日は積み込みや最終チェックで夜遅くまで作業が続きます。そのまま学校に泊まり込み、当日は朝早くに出発して会場につくと昼過ぎまでずっと立ちっぱなしでの作業が続きます。2~3年生は慣れたものですが、やはり1年生には相当こたえたようです。それでもそれを凌駕する面白さを感じるから、やめられないんです。
2年生の小関くんは自分の担当するエンジン班でのトラブルを省みていました。
「燃料系統に空気が入ってしまって、そのトラブルで焦ってしまいました。」
それに対して、練習走行後に同じようにトラブルが見つかったタイヤ班が落ち着いて対処している姿を見て、自分も落ち着いて行動できるようになりたいと感じたと言います。
「普段からもっとエンジンのことを知っておかないと、本番のトラブルに冷静に対処できないと思いました。」
今後のエンジンの活動としては、「今回空気が混入したのも燃料ホースのつなぎ目がすぐ緩んじゃうので、そこの改良がまずは課題です。それが終わったら、エンジンをオーバーホールしていきます。1年生に教えながら、自分たちも成長していかなければと思っています。」
エンジンについても自分自身についてもやるべきことがしっかり見えているようです。今後の成長ぶりを楽しみにしていたいと思います。
エンジン班が見習いたいと感心していたタイヤ班を切り盛りしているのは、ドライバーでもある2年生の篠田くん。
全国大会に向けては今までのものよりも性能の良いベアリングを採用するとのこと。「これまで使っていたものよりもサイズが小さくなるので、(互換性を持たせるための)治具を旋盤で製作するのが優先的な仕事です。」と話していました。「旋盤は苦手なんですけどね…」と少し苦笑いしていましたが、大好きなタイヤの性能が上がるならと張り切っている様子でした。
同じく2年生の牛玖くんは「人数が多くて、1年生を見てあげられませんでした。」と先輩として反省しつつ、「持ち物にも抜けがあったり、入れたはずの場所がかわっていたり、通信機器の点検も前日ギリギリになったりと、もっと余裕をもって準備していかなければならなかった」と仕事に対する反省も忘れません。
牛玖くんは普段はコンピュータ班として解析機器の研究を進めながら、他の仕事にもたくさん関わってくれているので、その分気になるところも多かったようです。
任せられているコンピュータ班の仕事に関して、全国に向けての動きを聞いてみました。
「走行中の速度を、マネジメントの手元でリアルタイムに観測できるシステムを構築中です。ラップタイムも自分たちでプログラムを作って、誰が見ても分かりやすいように工夫できたらと考えています。」
だいぶいいところまで進んでいるようですが、全国大会までに間に合わせたいと張り切っていました。
初ドライブに挑戦したのは1年生の川口くん。
「練習走行ではそんなにスピードが出るわけでもないので大丈夫だと思ったんですけど」とコースアウトしてしまったことを悔しがっていました。「とにかくチームに申し訳なくて、自分が許せなかった」と話す川口くん。
「全国大会に向けて、気持ちを切り替えて臨みたい」と話してくれました。
3年生で部長の永長くんにはチーム全体について話を聞いてみました。
「5連覇は達成できましたが、チームワークは全然ダメでした。」と語る永長くん。
最上級生としてチーム全体で参加した初めての大会ということもあって、まったく余裕がなかったと言います。
「反省点としてはマシンのことばかり気にかけて、人を見ていなかったことです。」
大会当初部員合計21人中、1年生が半数以上を占めるという状況でした。初めての大会で訳も分からず、指示ももらえず、ただ立っているだけという1年生が目立ってしまう結果になってしまいました。
「1年生にはまだ仕事を任せるつもりはなかったんですけど、それでもこの作業を『見てて』という声掛をすることで全然違ったと思います」と振り返っていました。
「全国に向けてもっと連携を深めていってチームをワークを重視していきたいです。部長として、人に仕事を任せられるように、他の部員を信用するところが大事だと思います。人数も増えて、まだお互いのことを知らなさすぎると思うので、普段の部活動を通して、まずはお互いを知るところからですかね。」
と人に目を向けることを意識するようになったと話してくれました。
普段はボディー班をけん引している永長くん。ボディー班に関しては今後どんな動きがあるのか聞いてみました。
「来年の新型マシンを製作するための風洞実験が主流です。トランスポンダ(大会で配布される周回数計測器)カバーもその実験を通して改良していく予定です。あとは、スクリーンのくもり止め対策もやっていきたいです。」
全国大会に向けてもまだまだやることはたくさんあるようです。
大会後は3日かけて全体ミーティングを行いました。そのおかげか、大会中での反省点をあぶり出し、これからどう動いていけば良いかという目標も明確になってきたようでした。各班の具体的な目標も見据えて、すでに気持ちは全国大会に向いているように感じました。
全国大会は9月末、同じく栃木県のツインリンクもてぎにて開催されます。時間はあっという間に過ぎていきます。その間、どれだけ作業が進められるか、どれだけチーム間の信頼を育めるか、本校自動車部を温かく見守ってもらえたらと思います。