9月29日(日)に栃木県のツインリンクもてぎを会場に開催された本田宗一郎杯Hondaエコマイレッジチャレンジ2019第39回全国大会において、本校自動車部Aチームの車両「INNOVATION19」がデザイン賞を受賞しました。
デザイン賞はエントリーした全332チームの中から、総合的なデザインに優れた1台だけが選ばれる賞となっています。
審査委員長からは
「ボディーの前面、側面、上面だけでなく下面も含めたすべての面が、調和のとれたきれいな曲面で構成されています。グラスエリア(窓面積)も安全を考慮して大きくとられています。」
と高い評価をいただきました。
毎年苦労して作り上げているスクリーン(窓)についても「きれいな3次元曲面に成型するのは難しかったと思うのですが」と苦労を分かった上で評価をしてもらえたことが嬉しく感じました。
他にも窓からのぞくシャーシ(フレーム)の美しさ、赤と白と黒のカラーリングの美しさなど、ありとあらゆる面から評価をしていただきました。
デザイン賞の選考は燃費の記録とは関係のないところで、競技開始前に写真をもとに行われるそうです。
デザイン賞に選ばれたマシンがグループⅡ高校生クラスで優勝したということについて、「機能的に優れているものはデザインも美しいのだということが証明された形となった」と評価していただきました。
これを受けて登壇した3年生の堀口くんはマシンの形状を「風が教えてくれた形」と表現しました。
本校のマシンは何度もお伝えしていますが、風洞実験を行って形状を決め、毎年作り変えます。
燃費向上を目指して空気抵抗を極力減らすために、風の流れが途切れていたり乱れたりするところを少しずつ改善して、長年をかけて今の形に収まってきました。
まさに、今の形は風が教えてくれてこうなってきたわけです。
風洞実験を終えて改善点が決まると型を成型し、そこにFRP(ガラス繊維を樹脂で固めたもの)を重ねてボディーを作り上げていきますが、型は雄型を使用しています。
同じようなことをしているチームにはしばしば驚かれますが、雌型ではなく雄型を使用しているのは珍しいのだそう。雄型だけで作るのはコスト面や軽量化などメリットも大きい反面、表面をきれいに仕上げるのには高度な技術が要求されます。
本校では先輩方の代から年月をかけて試行錯誤を繰り返し、FRPのつなぎ目やシワの消し方など問題点を克服しノウハウを積み上げてきました。
デザイン賞の受賞に当たっては、大会を応援に来てくれていた卒業生の厚海くんも喜んでくれました。
厚海くんは2代前の部長で、3年間ボディー班を担当してくれていました。
それまでは車高が高めだった形状を、重心を下げて転びにくくするのに車高を下げた形状に大幅改善したのが、ちょうど厚海くんの代でした。
「今までやってきたことを全部褒めてもらった感じ」と感慨深げに感想を伝えてくれました。
ボディーの製作は本当に本当に先輩方が残してくれた積み重ねで今があるのだと思います。
デザイン賞は、これまで自動車部に関わってくれたすべての部員に向けられた賞だと思います。
しかし!デザイン賞を受賞したからと言って、これをこのまま引き継ぐ自動車部ではありません。これをまた改善して、来年にはさらに進化した新型マシンを携えて大会に挑みます。
自動車部は、これからも皆様の温かい声援に見守られながら、進化を続けていきます。