10月1日(日)に栃木県のツインリンクもてぎにて開催された本田宗一郎杯Hondaエコマイレッジチャレンジ2017第37回全国大会での模様をお届けしている第4弾。
本番走行前のテスト走行で横転してしまいボロボロの状態で帰ってきたAチーム車両。
Aチームの緑のマシンは昨年の風洞実験をもとに製作した新型マシンでした。
その姿を目にした部員たちのショックも大きかっただろうと思います。
(あまりのショックに写真が1枚も残っていないのが残念…)
ところが動揺したとかショックを受ける暇なんてなかったと部長の厚海くんは言います。
「とにかくどうやって直そうということしか頭にありませんでした。」
それでも直せるのか、もう無理なんじゃないかと頭によぎらなかったのか問い詰めたところ、
「昨年の経験もあったので…」と控えめに答えてくれました。
実は昨年も、練習走行時にBチームの赤のマシンでもタイヤがバーストして、ボディーの足回りが破損するという出来事がありました。
その時の部員の落胆ぶりは相当なものでしたが、顧問に指導されながらどうにか修理して本番では見事1位に輝いた経験があります。
その時を思い出すと「新車ってそういう運命にあるんだ」とむしろ自嘲気味に楽観視できたとか。
ただし、今回は車検がすぐそこまで迫っていました。
にわかにピットが慌ただしくなり、とにかく車検を通せるだけの応急措置を急いで施して、帰還からわずか20分足らずで車検に出発しました。
車検を通している間も破損した部品の修理をするなど、とても落ち着いて本番に挑めたとは言えない状況でしたが、そこからは特に大きなミスも見つからなかったのは、それまでの段取りがきちんとしていたからだと言えるでしょう。
本番走行ではここまでのトラブル続きが嘘のように2台とも順調な滑り出しで安定した走行を見せ、問題なくゴールしました。
驚いたのはあんなトラブルがあったにも関わらず、本番までに弱気にならずにやるべきことをしっかりとこなしたAチームのドライバー田中くんのメンタルです。
3年生のドライバー石塚くんに言わせればテストコースでのトラブルは「へたくそ」なテクニックだったのかもしれませんが、田中くんはまだ2年生ながらもトラブルを乗り越えられるメンタルを持っていることが何よりの強みなのです。
田中くんが悲壮感を漂わせていたら、チームが前向きになるのも難しかったのかもしれません。
結果はAチームがトラブルを乗り越えて2097.539㎞/ℓで1位、Bチームも1815.359㎞/ℓで2位となりました。
Bチームは車検中に開会式が開催されたため、戸外の日当たりの強い場所でしばらく待機を余儀なくされた場面が記録に影響する形になりましたが、大会3連覇をワン・ツーフィニッシュで飾ることができました。
次回は部長の厚海くんと副部長の伊藤くんに大会の感想と、良いチームとはというテーマについて伺った内容を掲載していきます。