暦の上では春ですね。日中は暖かい日差しが降り注ぐことも多くなってきましたが、日が暮れるとぐっと冷え込んできます。そんな中でも自動車部は元気に活動に取り組んでいます。
ボディー班は新型マシンの型作りを進めていました。
型はしばらく見ない間に大まかな形づくりを終えて、最終調整の段階に入っていました。
今やっている作業は水研ぎと言って、やすりで形を整えていくのですが、目が細かいやすりを使っているので目が詰まらないように水で削りカスを流しながら作業を進めています。
夕方になってぐぐっと気温が下がる中、手がかじかんでしまいそうですが、その真剣なまなざしからは作業に集中していて寒さを感じている様子はうかがえません。
本校のボディーの型は上側と下側に分けられています。今回、上側の型の成形を任されたのは1年生部員の二人。顧問や先輩にアドバイスをもらいながら型に真剣に向き合っていました。
新型マシンの形状は本校伝統の風洞実験で決定します。
燃費競技ではマシンが受ける空気抵抗をいかに減らすかも大事なポイント。マシンの周りの空気の流れを妨げている箇所を実験で見つけて、どうすれば後ろまで空気をきれいに流せるかを考察して形を決めていきます。
「昨年は下側の型を変更しただけで、上側は一昨年と同じものを使用したのだと聞きました。今度の新型マシンは上も進化させます。これまでよりもさらにえぐって、空気の通り道を広くしてあります。」
そう教えてくれたのは作業を任されている1年生のハサニくん。
少し削っては遠くから見て確認し、また少し削っては手で触って確認してを繰り返していました。
この作業の難しいところは?と聞くと
「水研ぎだと水が光に反射して、凹凸が分かりにくいんです。だから目で見るだけでなくて、手で触った感触で他のところと平らになっているかを確認しながら作業を進めなきゃいけないんです。」
と教えてくれました。
1年生ながら、よく考えて作業を進めているなと感心させられました。
ところがその後、顧問に確認してもらって「ここから見るとこの部分が少しへこんでいる。光の反射の仕方が他と違うでしょ。」と教えられると、自分で実際に確認して、ちょっと照れ笑いしながら「光の反射具合で分かることもありますね。」と先ほどの発言に修正を加えてくれました。
ハサニくんは持ち前の素直さで、知識や技術をどんどん吸収していってくれているようです。
下側の型の成形を任された2年生も負けずに頑張っています。
型の成形作業は2月末に完了するのが目安だそうです。
まだまだ寒い日が続きますが、寒さに負けずに頑張れ、自動車部!