毎日うだるような暑い日が続いています。
自動車部では、比較的気温の低い午前中だけを活動時間にあてています。こまめに休憩を取って、水分補給もしっかりして、感染症対策と同時に熱中症対策をしながらの活動になります。
この日は3年生が講習でいない中、下級生だけで活動を実施していました。
2年生の郡司くんは
「ちょうどやる気もピークに達して作業も波に乗ってきたタイミングで活動が終わってしまう」
と午前中だけの活動がやや物足りない様子。
「昨年に比べて自分の部活に対する熱意がずいぶん変わったと思う」
と話してくれました。
郡司くんは1年生のころから真剣に取り組んでいるように見えていましたが、そこからさらに責任感や、活動自体の本当の面白みを感じられるようになったのかなと思います。
そんな郡司くんを筆頭に、ほかの2年生部員たちも引き締まってきたように感じました。
この日は新型マシンのボディーを成形していましたが、休憩時間にも「ちょっと様子を見よう」と言って仕上がり具合を確認する姿も見られました。
ボディーはガラス繊維を樹脂で固めるFRPという素材を使って成形していきます。樹脂で固める際に空気が入らないように気を遣うのですが、ボディー班の2年生のハサニくんは
「この傾斜のきついところは特に空気の逃げ場がなくて、苦労しました。空気を逃がそうと引っ張ると、下の(離型のための)のりがはがれてしまうし、難しいんです。」
と丁寧に教えてくれました。
目の前の技術に常にひたむきなハサニくんと一緒に、ボディー班をけん引しているのが、同じく2年生の小谷くんです。
「昨年、入部したときにはこの作業はもう終わっていて、自分たちは参加できなかったんです。だから初めての作業なんですけど、やることは教わって分かっても、体がついていかない。」
まだまだ理想的な活動はできないと悩んでいましたが、理想を目指して苦悩しながらもがいている、それこそが成長の証だなと頼もしく感じました。
「3年生が講習でいない日に、作業の指揮を執るように指名されたときも、自信がなくて…」
期待されていることに応えたいと思いながらも、プレッシャーも感じているようでした。
技術のハサニくんと、全体を見守る小谷くん、とてもいいコンビネーションに見えました。2人で力を合わせて、ボディー班はいい雰囲気になってきているようです。
冒頭で郡司くんが話してくれたように、2年生は全体的に部活動を以前よりも「おもしろい」と感じて積極的に取り組んでくれているように見受けられました。
「調子はどう?」と聞くと、誰もが自分の携わっている仕事について、こちらが期待しているよりもずっと多くのことを嬉しそうに話してくれます。
大会が軒並み中止になってしまって、活躍の場が減ったことを不憫に感じていましたが、部員たちはとても前向きに、ひたむきに、部活動に取り組んでいることが伝わってきました。
夏の暑さに負けない部員たちの熱意で、この夏休みも自動車部は走り続けます。