11月22日(日)に日本自動車大学校(NATS)を会場に、ガソリンエコランカー合同走行会が開催されました。参加チームは千葉県内からだけでなく、東京や埼玉からも集まり、全18チームとなり、本校自動車部からは2チームが出場しました。
走行会では感染症対策が万全に敷かれた中で、車検、ブリーフィング、コース清掃の流れもあり、本年度大会を経験できなかった部員たちにとっては大会のような緊張感を味わえたようでした。
そんな中、一台のエンジンがかからないというトラブルが発覚。一気に緊張感が高まります。
エンジンを担当している3年生の小関くんは慌てて点検をしますがなかなか原因が見つかりません。そこへまだ本番の緊張感を知らない1年生の日野くんが、これじゃないかと切れている配線を見つけてくれました。
「それまではバルクヘッド(ドライバーとエンジンを隔てているパーツ)で見えていなかったんですけど、それを外したらすぐに見つかりました。自分が見つけられたのはたまたまです。」と謙虚な日野くん。
3年生の小関くんは「焦って視野が狭くなっていたんだと思います。いろんな人の目で見ることの大切さを改めて感じました。」と感謝していました。
その後急いで配線工事を済ませて出走までに間に合わせることができました。
ところが、これはこれから始まる数々のトラブルのほんの序章に過ぎませんでした。緊張感が与えるプレッシャーの何と恐ろしいことか。
燃料が配布され、エンジンを使った走行会がいよいよ開始されました。
何度か練習のために周回を重ねましたが、Aチーム赤のマシンが早々にピットに戻ってきました。ドライバーの篠田くんが違和感を訴えていました。
「異臭がしたんです。臭いなと思って。あとは頂上でのスピードが落ちすぎることを無線で相談したかったんですけど、うまくやり取りができなかったので。」という篠田くん。
篠田くんがドライバーとして優れているなと感じさせるところは、ドライビングテクニックどうのよりも、違和感に気づく力と、それを言葉で伝えられる力が長けているところだと思います。
ピットに持ち帰って点検してみるとすぐに、ホースが外れてオイルが漏れていることを確認できました。こちらも急いで修復して、足りなくなった分のオイルを補充します。
その間にドライバーの篠田くんはBチームとのデータを見比べて、頂上でのスピードが遅い原因がどこにあるのか探っていました。顧問に相談したり、Bチームのドライバーを務めている大村くんにも話を聞いたりして、エンジンをかけるタイミングが早すぎたことが判明しました。
燃費競技では下り坂や平坦な道など惰性で走れるところはエンジンをかけずに走行するため、エンジンをかけたり切ったりするタイミングを図る必要があります。ヘアピンカーブを抜け、直線に入るとすぐにエンジンをかけていた篠田くんは、坂の頂上に行くまでにスピードが落ちてしまっていたようです。
こうやって先輩が後輩にも相談できる関係性があるというのは、「技術の前では謙虚であれ」という日ごろの活動の教訓が身についている証拠だなと感じます。
さあ、気を取り直して再スタートです!
と思いきや、エンジンはかかるものの、またすぐに止まってしまいました。
燃料を送る圧力が低いことが原因だったようです。
修復をしてコースに出ましたが、その後もう一度エンジンの暖機不足で戻ってくることになりました。
やれやれ、練習走行会だというのに話題の多いこと。
長くなってきてしまったので、記事は2回に分けて書きたいと思います。
果たして自動車部はこの走行会を走りきることができるのでしょうか?