3月6日(土)に令和2年度卒業式が挙行され、自動車部員の3年生6名も無事に卒業していきました。
卒業式後は部室に後輩たちも集まってささやかながら送別会を開きました。
その中で卒業した部員たちから後輩たちへのメッセージが伝えられました。
ドライバーを3年間務めた副部長の篠田くんは
「3年間部活を続けていく中でやらせてもらえることはたくさんある。その中から伸ばせる才能を見つけて伸ばしていくことを意識してほしい。そのためには色々経験してみることが大事だし、続けることが大事。」
という話をしてくれました。
篠田くんは部活動を通して設計からものづくりをすることの面白さに気付きました。その様子に気付いた顧問が、これも自分で設計して作ってみたらと持ちかけたことで、篠田くんは泥除けやカウルのスクリーン、タイヤのハブに至るまで様々なものを設計から製作、組付けまでを任せてもらうことができました。
そんな篠田くんは卒業後は同じように製品のほぼすべての工程を任せてもらえる製造業への就職が決まっています。
2人いる部長のうちの一人、捧くんは「自分にはまったく取り柄がなくて」という話から入りました。
1年生のころは嫌なことがあると何かと理由をつけて帰っていたと言います。ある日顧問からその態度を叱られ、取り柄はないけどやってやろうと一念発起。
突き詰めてみようと思うものに出会ったのは溶接だったそうです。最初は失敗続きでしたが、続けていくうちにうまくいくようになりました。そうやって今では自動車部の中では溶接と言えば捧くんと言われるほどにまで成長しました。根気強く続けられたこと、失敗しても投げ出さなかったこと、捧くんは溶接の技術以外にも立派な取り柄をたくさん身につけられたようです。
「経験を積んでいく中で失敗も必ず糧になる」と捧くんは後輩に力強く伝えていました。
さて、自動車部では毎年、このタイミングで3年生の現行部長が下級生から新部長を任命する任命式が行われます。
新部長に任命されたのは2年生の中山くんと郡司くんの2名。
副部長には同じく2年生の田島くんとハサニくんの2人が任命されました。
それぞれ2名ずつ指名されたのは、「今年一年、大会がなかったことで来年は大変になる。それをまとめていくのには一人では荷が重すぎると考えた」からだそうです。
部長の一人に任命した中山くんについては
「おっちょこちょいなところもあるけれど、毎日のように部活に来て率先してやってくれていた。失敗して折れることもあるけれど、諦めない強さも持っている。周りとのコミュニケーションもうまくとってくれそうで、伸びしろは十分。」という評価でした。
手放しでは褒められないようですが、そんな中でも部活への責任感や人当たりの良さが評価されたようです。
郡司くんについては「サポートするのが得意だと感じた。安定感があって中山くんが失敗したときに必ず支えになってくれるはず。」と評価されていました。
一人一人が責任感をもって活動をしていますが、一人が部のすべてを背負う必要はありません。支えあい、足りないところは補い合い、チームとして完全に近づけるように努力していく、それが本校の自動車部の在り方です。
もちろん、部長や副部長などの役職をあてられなかった部員に関しても、1年生も、同じことです。みんなで支えあい、補い合い、強いチームを作っていってもらえたらと思います。
最後の機会となる集合写真をマシンを前にして撮影しました。
製作がなかなか進まずに年度内の完成は難しいかと思われていた新型マシンですが、3年生が卒業するまでになんとか間に合わせたいと、下級生が頑張って直前に仕上げたINNOVATION20の両サイドには、卒業生全員のフルネームが刻まれました。
今年大会に出られなかった彼らの想いと共に、INNOVATION20は走ります。願わくは来年度、大会が無事に開催され、INNOVATION20が活躍する姿を目にできますように。
3年生部員の皆さん、ご卒業おめでとうございます。