11月18日(土)に日本自動車大学校において「2017 NATS EV競技会」が開催されました。
全23チーム中ジュニアクラスは13チームが参加する中、本校からはAチームとBチームの2チームが参加しました。
EV競技会はエンジンをモーターに付け替えて支給された鉛バッテリー2個を用いて1周1,110mのコースを2時間で何周できるかを競うレースになります。
バッテリーを効率よく充電させるための温度管理も重要になってきます。
大会当日は最高気温でも15度程度と肌寒く、さらに雨模様で厳しい環境の中でのレースとなりました。
天候を考慮して予定より30分早められて競技開始です。
全車くじ引きで決定したグリッドについて一斉にスタートです。
1周回ったところで14番グリッドについていた緑のAチームが6番グリッドについていた赤のBチームに追いつきました。
ただこのレースは与えられたバッテリーを高い効率で使うことを求められているので速ければ良いというわけではありません。かといってバッテリー残量を残した状態で制限時間を迎えてしまっても周回数をもっと稼げたことになるので上位は狙えません。
時間内ギリギリまでバッテリーを効率よく使い切るために、ラップタイム、メーターに表示される電圧と積算電流を毎周記録しながら作戦を随時変更していかなくてはならないのが、この競技の難しいところです。
この計算を助けるために、今回からパソコンでのデータ解析を始めました。
パソコンには昨年度のデータが記憶されているので、今回のデータを打ち込むことで比較が容易になり、もう少し使えると思えばスピードを上げて周回を増やすこともできるし、逆に昨年より消費量が多いと判断すれば少しスピードを落としてバッテリーを節約することもできます。
2周目に入ったところでAチームにアクシデントが発生です。
連絡を受けて部員が駆けつけてみると、コースの脇に寄せられたマシンからドライバーが抜け出している状態でした。
マシンの前側が大破してしまいあえなくリタイヤです。
一方、赤のBチームは本降りの雨の中順調に走行を続けていました。
しかしレースの中盤、雨で視界不良に陥った他チームのマシンに追突されてしまい、横転してしまいました。
部員が駆けつけ急いで点検を行います。
一度マシンを降りたドライバーは寒さで震えていましたが、マシンが走行を続けるのに支障がないと判断されると再びマシンに乗り込み、走行を再開しました。
その後横転したことで前方スクリーンの泥汚れが激しかったため、清掃のために一度だけピットインしました。(写真は走行後、車内から。ひどく汚れて視界が悪いのが分かります。)
アクシデントでタイムロスを余儀なくされたため、想定していたスピードだと時間内にバッテリーを使い切れないと判断した部員たちはスピードアップを図りました。
制限時間がくる直前にバッテリーを使い切り、上り坂の上で停止。とにもかくにも完走を果たしました。
結果36周でジュニアクラス4位入賞。
アクシデントによるタイムロスが響いたものの、あの厳しい条件下での完走は称賛に値するものでした。
今大会が3年生にとっては最後の大会となりました。部長の厚海くんは
「1台のマシンが記録を残せなかったことは悔しいです。こうしておけば良かった、ああしておけばよかったと思うことはありますが、今まで大きなトラブルもなく走行してきたので良い経験にはなったと思っています。」
と話してくれました。
これまでにない悪条件での大会となってしまいましたが、この大会を経てたくさんの改善点が浮かび上がったことは大きな収穫と言えるでしょう。
月曜日には早速新型マシンの製作に取り掛かっていました。
悔しさがまたひとつ彼らを成長させたのだと感じる大会でした。